国語専門個別指導塾LOGIQUE武庫之荘校、塾長の北村です。
日本最高峰の知性が集う灘中学校の入試問題は私たち指導者に対しても強烈なメッセージを投げかけてきます。
今回は2025年度入試国語問題を分析し、2026年度以降の合格を目指す受験生がいま身につけるべき国語力について、プロの視点から詳しく解説いたします。
一日目:知識の暗記を無効化する、思考型パズルの深化
灘中の一日目は、語句や知識を中心としたスピード感あふれる構成です。しかし、2025年度の問題を精査して確信したのは、もはや知識の量だけで押し切ることは不可能だということです。
今年度も例年通り、外来語を漢字に直す問題や、三字・四字熟語のパズル、俳句の鑑賞などが出題されました。ここで問われているのは、見たことがある言葉を思い出す力ではなく、未知の言葉をその場で推論する力です。
例えば、難解な語句の空所補充において、文脈や漢字の構成原理(主従関係や対比関係)を瞬時に分析し、論理的にパズルのピースを埋めていく作業が求められました。これはもはや国語という枠を超えた純粋な情報処理能力の試験です。
LOGIQUEでは語彙を単なる暗記の対象とは捉えません。その言葉がどのような論理で結びついているのかを解き明かす構造的語彙習得法こそが、2025年度のような推論型の問題に対する唯一の解答となります。
二日目:情報の統合と再構築を迫る、重厚な記述読解
二日目の読解問題は灘中の真骨頂とも言える記述問題の難度でした。
2025年度の論説文および物語文においても、本文の言葉を単に繋ぎ合わせるだけでは、合格点に届かない設計になっていました。
今年度の大きな特徴は、複数の段落にまたがる情報を統合し、筆者の主張を自分の頭で再定義させる設問の質の高さです。
傍線部の近くに答えが落ちているような安易な問題は一つもありません。
論理の地図を描き、どの情報が前提であり、どの情報が結論なのか。
それらを一つの因果の鎖として結びつけ、限られた解答欄の中に凝縮して表現する。
この情報の再構成能力こそが灘が求めている資質です。
特に物語文では表面的な感情表現に惑わされず、情景描写や微細な動作から登場人物の葛藤を論理的に逆算する力が試されました。
自分自身の主観や経験を一切排し、本文という客観的なデータのみから心を読み解く、冷徹な分析眼が求められます。
2026年度合格への指針:論理を武器に最高峰へ挑む
2025年度の分析を踏まえ、これから灘中を目指す受験生には、以下の3つの指針を提案します。
①接続詞を思考の方向指示器として使いこなすこと。
文章を線で追うのではなく、構造体として捉える習慣を今日から身につけてください。
②語彙を抽象概念として捉える訓練をすること。
具体的な出来事を、葛藤や妥当性といった一つの抽象的な言葉に集約できる力。
これが灘の厳しい記述枠の中で論理の密度を高めるための必須技術となります。
③客観的根拠への執着。
なんとなくという直感を徹底的に排除し、すべての答えに対して本文中の証拠を提示できるまで考え抜く姿勢。
この妥当性へのこだわりこそが、灘の門を開く鍵となります。
参考資料
2025年度(令和7年度) 灘中学校入試問題(国語一日目・二日目)
URL: https://www.nada.ac.jp/
灘中学校 入試結果速報データ(合格者平均点および受験者平均点の推移)
URL: https://www.nada.ac.jp/exam.html
文部科学省 学習指導要領(国語)および国立教育政策研究所によるPISA調査分析資料
URL: https://www.mext.go.jp/